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夢げしき

2019年08月01日 12:00

夢げしき


春は菜の花 夏は向日葵 秋は秋桜
空へと続く長い砂利道
頑張れ、負けるな 君に幸あれ そんなミーイズム
距離を置く時訪れてみる 夢げしき


 バス停に
 雀のような女学生 燕のような会社員
 その隙間すり抜ける 足が泥濘む

 「疲れたな」
 本当か嘘か分からない 自分の目盛分からない
 煩わしい街の色 心色なく

もう泣かないで 笑ってみせて そんなパレード
深海にいる誰かを見ずに 晴景色


 気の迷い
 日常へ向かう道程を 逆方向へ、非日常へ
 失くしてた我侭に 足が揺蕩う

 最果ての
 夢か記憶に在ったような 雪に埋もれる砂利道で
 閃耀が走るように 心色づく

もういいんだよ 終わりにしよう そんなモノローグ
安らぎと不安、交織になる 冬景色


 一夜明け
 想定通りの日常へ また新しく舵を切る
 自分などいなくとも 事なら回る

  それでいいと知る

春は菜の花 夏は向日葵 秋は秋桜
空へと続く長い砂利道
やり直したい 逃げ逃れたい そんなエゴ、イド
なるようになる、どうでもいいと
頭の中で訪れてみる 夢げしき




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夜行フェリー

2019年07月01日 12:00

夜行フェリー


夜行フェリーに揺られ 揺れる街並みを見ていた
あの一つ一つに連なった
物語は推し量れすらしない

夜行フェリーに揺られ 踊る漁火を見ていた
あのぶら下がる灯へ照らされた
足跡なら追いかけるものじゃない

 高速と鉄道が 血管のような

 巨大な生き物に見えた街から 切り離されて
 行くのか帰るのかすらも曖昧に なりそうな夜


夜行フェリーに揺られ 消える飛行機雲見ていた
あの真っ直ぐな線の先にある
未来でふと交わるかもしれない

 通り越す人々が 血液のように

 隅々まで往き届いた街から 御暇をして
 始まり、終わりなど頓となくして しまうような夜


  月の欠け落ちた所へと ほどけてくような気がした
  不意にこだました船笛は ここがあることを教えた


 夢に見た多さかな 血痕のようで

 意識にこびつきはすれど街なら 明日を迎えて―
 色んな人が歌ってた、それより 熱に塗れてた

 巨大な生き物に見えた街から 切り離されて
 行くのか帰るのかすらも曖昧に なっていく夜




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令和

2019年06月01日 00:00

令和

お祭り騒ぎの街を歩く エイプリルフールも蚊帳の外
誰しもがその一瞬 見入って固唾飲む

額縁の中の二文字だけで 全て新しくなりそうだ
各々に願うものが 不思議とありそうだ

 時に二百回以上 折り目をつけてきた
 こんなに誰しもが
 瞠ったのは初めてでしょう


一世一代の大晦日は カウントダウンに包まれて
華やかさ、厳かさが 交差し幕が引く

沸き返る人に、刻む人に、何一つ変わらない人に、
異存ある人にすらも 等しく時は来る

 時に二百回以上 折り目をつけてきた
 これだけ寿いだ
 幕開けなどなかったでしょう


  行く時代、来る時代の中 変わるもの、受け継がれるもの


人なら何れは離れ去る 厳粛に過ぎたあの冬を
朧気に憶えている 嘗ての遠くの日

 永い古の人が 集めた万の葉
 初春の令い月と
 澄む空気に和やかな風

 時に二百回以上 折り目をつけてきた
 平和に成ればいいと
 良い時代へ至るようにと








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氷点下の絵画

2019年05月11日 12:00

氷点下の絵画


氷点下の部屋に飾られた 絵画に奇麗に収められている
そんなふうに貴方に 見つめられている

幼き日に母の背に揺られ 溺れた晩秋の青空みたいに
曇り一つすらなく 吸い込まれたい

―何もかも、失って

 貴方は奇麗に笑った 僕は閉じ込められた
 眩んでしまうような ひどく疚しい心
 見透かされている 


瞬き出す遠い星よりも 佇む貴方は遥かな気がする
手を伸ばせばそれほど 見えなくなりそうで

淀み濁る心根はきっと 姿が彫像の侭だからだ
完璧と言えるものが ここに在る故の

―行き着くは、嫉妬だった

 貴方の掌の上 僕は彩られてく
 そうして続く夜に 貴方へと敵いたい
 幻を越えて


  一人で見たどんな景色も その色彩を失う
  見つめられた僕のほうが 美しくすら思える


 貴方は奇麗に笑った 僕は閉じ込められた
 氷の中で誇る 僕という名の花

 貴方の掌の上 僕は彩られてく
 そういう幸せなら 氷点下の絵画に
 貴方となりたい
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もう優しさは遅すぎる

2019年04月30日 12:00

もう優しさは遅すぎる


もう終わりとあなたが気づく そうして急に優しくなった
もう遅いよ もう遅いんだよ


 「貴方がいてくれたことは きっと幸福でした」
 そう言って泣き笑えるなら 幸福だったんでしょう

 答えを教えてほしいと ずっと思ってました
 慰めるだけの貴方なら 幸福だったんでしょう

  どうせ無くすなら全部壊したい
  隠すその全て、私引き換えに… そんな意気地もない

もう終わりと貴方が気づく そうして急に優しくなった
不意にでしょう 分からないでしょう
もう私が貴方に出来る これが唯一の仕返しだから
言いたくない 教えてあげない


   それでもこれから 思い出すでしょう
   貴方が好きだったものに触れては 重ねてしまうでしょう
   悔やんで腫れながら傷を舐めずり ひたすら想うでしょう


  みんな後回しのまま抱きしめられ
  それで幸福とあの日信じてた それは本当だった

もう終わりと貴方が気づく そうして急に優しくなった
もう遅いよ もう遅いんだよ
もう心も体もずっと 貴方のためにあると思った
もういいんだよ もう決めたんだよ

もう遅いよ もうさよならだよ
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