見かけた変体仮名を貼る。楚能陸

町中で見かけた変体仮名をログするコーナー。
分かっていたこと、鹿児島ではレアだが他県ではそうでもないこと。










能【の】
採取地：鹿児島県長島町黒之瀬戸だんだん市場
※長田王、大伴旅人、甲斐守康孝、源公朝、がそれぞれ黒之瀬戸を詠んだ短歌碑。


お手も登【おてもと】
採取地：どっかのスーパー
※頻出物体、割り箸。手も微妙に異体気味。


古ん邊【ごんべ】
採取地：熊本県水俣市
※邊がそもそも辺の旧字体、変体仮名よりも漢字のほうが簡略化されてるのはこれいかに。


志満八【しま八】
採取地：鹿児島県鹿屋市
※志は頻出、満もそこそこ見る。鹿屋にあるとは…。


満ち幸【まち幸】
採取地：福岡県福岡市
※これも満=ま、今のまを使うよりも縁起がいいのだろうか。


お古し【おこし】
採取地：福岡県福岡市
※以前にも「お古し」はあった、こっちは縁起かつぎではない、な。


いきなりだ古【いきなりだご】
採取地：鹿児島県阿久根市
※だごは「団子」の鹿児島訛り、つまり熊本名産いきなり団子。


飛さや【ひさや】
採取地：福岡県福岡市
※飛＝ひ、は初登場ではなかろうか、頑張れば「ひ」と読めなくもない、かも。


おこ勢【おこぜ】
採取地：福岡県福岡市
※わざわざ店名ではなく魚名を変体仮名にするあたり、拘りがあるのだろう。


　採取地：広島県尾道市
　採取地：鹿児島市
　採取地：鹿児島市
生楚者【生そば】
※「楚者」は歩けば仮名に当たる状態なので、いくつか纏めて掲載。


変体仮名録。　楚能壱 / 楚能弐 / 楚能参 / 楚能肆 / 楚能伍

見かけた変体仮名を貼る。楚能伍

町中で見かけた変体仮名をログするコーナー。

今回は今月初めの広島・山口・福岡旅行より、丁度一回分溜まった。


あかい志【あかいし】
採取地：広島県尾道市
※もうすっかり定番、それほど一音一字になる前はありふれてたのだろう。


み知草【みちくさ】
採取地：広島県尾道市
※これは現行字体になる前の異体字、何とか読めなくもないか。


道志る遍たる【道しるべたる】
採取地：広島県尾道市
※遍＝へ、は確か初登場、「へ」に比べるとやはり字体が仰々しい。


宇計なから　風乃押手を　柳の那　【うけなから　風の押手を　柳の那】
採取地：広島県尾道市
※宇も計も乃も異体字、「陣幕」は江戸時代の横綱。


い奈忠【いな忠】
採取地：広島県廿日市市宮島厳島神社
※奈は現行字体の異体字、頻出。余話、最近この字体でメモに書いてることが多い。


久保者し【くぼはし】
採取地：広島県廿日市市宮島厳島神社
※久保は異体字、者＝は。橋【はし】の一文字目は「者」にする暗黙の了解があったのだろう。


志婦家【しぶ家（しぶや？）】

石者志【石ばし】

左可井【さか井（さかい？）】

採取地：広島県廿日市市宮島厳島神社
※いずれも今で言えばステッカー。一丈（十尺）圏内にあったので三枚纏めて。


よ志多【よしだ】
採取地：山口県岩国市
※よくある二文字が並んでいる、錦帯橋近くにて。


う登ん【うどん】
採取地：山口県下関市
※そばはよく見るがうどんはあまり見ない、江戸文化ではないからか？


奈可越【なかを】
採取地：山口県下関市
※三文字目、越＝を、はあまり見ない。「お」ではなく「を」、越で「を」。

変体仮名録。　楚能壱 / 楚能弐 / 楚能参 / 楚能肆

見かけた変体仮名を貼る。楚能肆

町中で見かけた変体仮名をログするコーナー。

タイトルの「楚能」は「その」の変体仮名、が書けないので漢字表記。
九州も色んなとこいくと結構見かける、というか鹿児島は基本的に少ない。


ふく多【ふくだ】
採取地：鹿児島市
※多=た、は頻出変体仮名の一つ、ふと見つかるレベルで。


寿し【すし】
採取地：鹿児島市
※基本中の基本を忘れてた、漢字の認識が強いが、崩れ方によっては明らかに変体仮名。


うどん楚者【うどんそば】
採取地：福岡県
※最頻出といっていい「楚者」、これは街中に一つくらいはある。


雷お古し【雷おこし】
採取地：福岡県
※古=こ、も古文をかじらずともそれなりに分かるくらいの頻度。


はる可なる【はるかなる】
こ乃松浦波【この松浦は】
採取地：佐賀県
※一行目と五行目。こういう古碑は変体仮名の宝庫。


梅ぼ志【梅ぼし】
※志=し、もかなり多い、落語家は漢字扱いでこの名称を使ってたり。


志なの路【しなの路】
※上下含めたこの三点はいずれも菓子店、老舗はやはり多いのだろう。


万都能葉【まつのは】
※これは四文字凡て変体仮名、こういうのが現代日本で見れたことに驚いた。


楚ば【そば】
採取地：福岡県
※もう説明も不要になった感がある、このコーナー歴代四度目か五度目のそば。


阿わび屋【あわびや】
採取地：福岡県
※阿=あ、も基本中の基本。ただ基本ですらそば以外はなかなか見つからない。



変体仮名録。　楚能壱 / 楚能弐 /楚能参

見かけた変体仮名を貼る。楚能参

町中で見かけた変体仮名をログするコーナー。

タイトルの「楚能」は「その」の変体仮名、が書けないので漢字表記。
言語の一つとしてウェブ上でも表記できるようにしてほしいんだが…。



しま多【しまだ】
採取地：長崎県島原
※よく出る変体仮名「多」、これはよく書かれる形より少しばかり省略されてる。


こま津【こまつ】
採取地：福岡市中洲
※ほぼ漢字に準拠した表記、「ま」の表記もわずかばかり表記が違う。


おても登【おてもと】
採取地：鹿児島、どこぞのスーパー
※「て」も「も」も崩し字になっている。おてもとは変体仮名率高い。


満佐【まさ】
採取地：福岡市中洲
※中洲周辺は昔ながらのお店が多いのか、ちょくちょく見かける。


都能花【みやこのはな】
採取地：福岡市
※芙蓉石鹸の左側。昭和初期から中期の看板なのだろう、そういうのを集めた店にて。


わ左び【わさび】
採取地：福岡市
※都能花と同じ店、この「左」はよく見かけるので見たことある人も多いのでは。


左久ら味噌【さくら味噌】
採取地：鹿児島、どこぞの店先
※上の「左」と同じ、「左」も「久」も異体字、今のひらがなになる前の表記。


万んさくの花【まんさくのはな】
採取地：不明、どこぞの酒コーナー
※「万」は旧字体の「萬」にも変体仮名あり、江戸時代からある酒なのだろうか。


以希多【いけだ】
採取地：桜島
※「以」は異体字、「希」はけと読む、好きな変体仮名。「多」はこの表記が最も多い。


わが前爾（尓）桜島【わが前に桜島】
採取地：桜島
※海音寺潮五郎の碑文。「尓」は「爾」の俗語、これもそこそこ見る。


変体仮名録。　楚能壱 / 楚能弐

見かけた変体仮名を貼る。楚能弐

変体仮名について、詳しくは前ポスト分を参考のこと。



簡単にいえば、町中で見かけた変体仮名をログするコーナー。
では早速。


古め喜【こめき】
採取地：鹿屋市串良町
※七を三つ並べた「喜」はポピュラー、喜寿が七十七歳なのもここから。


う奈ぎ【うなぎ】
採取地：湧水町
※所謂「うふぎ」、奈＝なの異体字、街角で頻出する、戦後も文豪が使ったりしていた変体仮名。


楚者【そば】
採取地：鹿児島市
※有名ドコロだが、鹿児島ではこの蕎麦の変体仮名はあまり見ないのでちょっと希少価値あり。


我可【我が】　※二行目の一、二文字目
採取地：鹿児島市
※鹿児島市城山に忘れられたようにあった碑より、花札「あかよろし」の「か」。


魚可し【魚がし】
採取地：出水市長島
※珍しいロゴマーク化された変体仮名、変体仮名にするだけで少し粋に見える。


　【　】
採取地：博多？（お土産）
※この短歌に関しては沢山あるので、右の現代語訳を元に元漢字等含め解読してみてください。


以志川【いしかわ】
採取地：鹿児島市
※「い」は「以→い」が現行になるまえの異体字、志はポピュラーな変体仮名。


天婦゜羅【天ぷ羅】
採取地：福岡
※「婦→ふ」はぬ・めと間違いやすい、VOWにも出てた。ただ、半濁点がつくと何だか間抜け。


き裳の【きもの】
採取地：福岡（西鉄）
※もは毛の異体字か茂が多い、江路伊茂【えろいも】の「も」をこれにするのもありだな…。


かすて以羅【かすていら】
採取地：南さつま市
※「羅→ら」もよく見る、ただ羅は漢字のまま、というところが結構多い。


ちなみにタイトルの「楚能弐」も「その弐」の変体仮名（のつもり）です。

見かけた変体仮名を貼る。

先ず、変体仮名について

江戸時代までは平仮名は一音一つではなく、
一音に幾つも平仮名（別の漢字によるものや、同じ漢字からの異体）があった。
明治政府がそれを一つに統一し、それが現代まで残っている。
旧時代の書物、碑等には勿論、
現代では書道、老舗店名（看板）や高齢者氏名などにも変体仮名が散見される。


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この変体仮名が二年ほど前から趣味と言えるくらいに好きになりまして、
玩具籠のトップ画像も半数がこれを利用したものになってます。


（左より）可无具可古　登伊希江志　江路伊茂【がんぐかご　といけえじ　えろいも】



意外と街中を行くと変体仮名を使ったものを見る機会があるもので、
一寸紹介、鹿児島はあまり見かけないんですよね。




楚ば【そば】
採取地：鹿児島市
※店頭にあるおしながきには楚者【そば】とあり、近日撮影予定。



う登ん【うどん】
採取地：鹿児島市
※うどんの変体仮名率は低い気がするので貴重かも。


あ希ぼ乃【あけぼの】
採取地：鹿児島市
※希【け】は変体仮名の中で一、二を争うパーソナルフェイバリット。


御手茂登【おてもと】
採取地：どこぞのスーパー
※意外とこのおてもとが変体仮名である確率は高いんです。


天婦羅【てんぷら】　楚ば【そば】
採取地：姶良市
※天婦羅は漢字で書かれていることが多いような、寿司みたく。


ちよ多【ちよだ】
採取地：枕崎市
※多【た】の変体仮名は二種類あって、こっちは複雑なほう。


川い多【川いだ】
採取地：指宿市
※上記の簡単な多【た】は、先ず右下がりの斜線を書いて、その下に「つ」を左右逆に書きます。


志者舟【しば舟】
採取地：鹿児島市
※石川の生姜せんべい、らしいです。


志保み者し【しほみはし＝しおみはし→潮見橋】
採取地：鹿児島市
※最近まで石橋があったところ、保が現行異体字、二種類の「し」の使い分けあり。


とら屋【とらや】
採取地：鹿児島市
※屋【や】は街角で普通に見つかります、どちらかといえば草書体に近い扱われ方。

デザイナブル・変体仮名。

●『変体仮名』が好きだと以前書いたが、
依然気に入ったまま熱が引かないのでちょっと書こうと思う。



変体仮名について：
江戸時代までは平仮名は一音一つではなく、
一音に幾つも平仮名（別の漢字によるものや、同じ漢字からの異体）があった。
明治政府がそれを一つに統一し、それが現代まで残っている。

明治以前の書物、碑等には勿論、
書道、老舗店名や高齢者氏名などにも変体仮名が散見される。

有名どころでは、
・花札の短冊の文字「あかよろし」の二文字目、
点がついた「の」のような文字が、「可」からの変体仮名。
・「志津」「里奈」と言った高齢者の崩れ字名前も、元を正せば変体仮名。

参考url:
◇wikipedia…歴史的、現代的扱い、文字例を記載。
◇変体仮名を覚えよう…変体仮名の基礎知識を習得できる。
◇koin変体仮名…変体仮名のフリーフォントを配布中。



ここ数ヶ月、入口画像のサイト名やHNにもそれを入れていた。
読めなかった人もいると思うのでここで解答を。



（使用フォント：koin変体仮名フリー配布フォント）


私が変体仮名を好きなのは、
文学的、国語的興味や温故知新要素は薄い。

例えるならば、
日本人が西洋外語や梵語の、西洋人がひらがなや漢字の、
書かれたTシャツを、デナイナブルだと思って着てしまう気持ち。
そこと同等だと自分でも思う。

（デザイナブルは【ファッショナブル－先端＋デザイン性】というニュアンスの造語）


そんな生半可な興味から始まっても、
今後何かに繋がるものもあると思うし、
覗き込んだ以上、このまま消えてしまうには勿体無いと思う。

最近、変体仮名の読み書きを始めた。
数年後には江戸時代の書物を、
違和なく読めるくらいにはなりたいと考えている。

Am not I abnormal or Variant?

●最近、変体仮名にはまっている。
勿論、「変態かな？」ではない、
そうかもしれないがそれはどうでもいい。

変体仮名はここらへんを見れば分かりやすい。
◇wikipedia
◇変体仮名を覚えよう　
◇koin変体仮名　

使用例（↓）。




●今にして思えば、
決断を先延ばしにしがちな癖を考えると、
歯の治療とPC買い替えを済ましていて良かった。

デジタル一眼レフも夏までに買っておけば、
いくら後悔しても（しないだろうが）、
今の状態を知る由もなかったわけだ。


向かい風が追い風に変わるのを待つか、
新しい風に乗るために荒海に乗り出すか。
どんな風にも生きていけるものとはいえ、やはり願うレヴェルはある。


そして、とある変化があった。
営業メンバー五人、このうちHさんがまず他の部署に異動になった。
このグループ、初期のごたごたを越えていい具合に回っていただけに、
事実上の解体は淋しいものがある。

そして、このdialogでもさんざんネタに…
いや、出場してもらったイアネイは次の職場を捜して奔走中。


私信：イアネイよ、次の職場からもまたここをよろしく。



●「笑点」はそれこそ幼稚園生の頃から見ていた記憶がある。

当時の鹿児島はクロスネットだったので土曜の夕方に放送されていた、
その時間にはなるべくテレビの前にいるようにしていた。
【円楽・小遊三・好楽・喜久三・歌丸・楽太郎・こぶ平】
これが私の中での固定メンバーだ。

三遊亭円楽氏逝去、ご冥福をお祈りします。



music:MY LONELY TOWN/B'z