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グラデーション

2019年03月07日 12:00

グラデーション


円やかな坂道を 上ったその先には
帰れそうな場所がある気がした

一律に白い空 果てなく続きそうで
それでいてここで途切れそうで
僕はしばらく眺めてた

 誰かが「いち抜けた」で 去ったこの世界で
 適当さと必死さの
 グラデーションを行き来してる


鬱蒼とした森の 視界がふっと拡がり
陽だまりが踊る草原を見た

そんな夢に起こされて 無理やり家を出れば
曇天が賑やかに連なり
僕はしばらく眺めてた

 誰かが見定めてる それが僕の顔だ
 鏡になら映らない
 グラデーションで今に染まる


  何かを真剣に願う日
  そんなこと冷笑に付す日

  対義語の間を心なら
  いつだって左へ右へ
  それを優しい顔の 死んだ僕がしばらく眺めてた


 誰かの言葉後に 狼狽えて彷徨き
 悩み疲れた朝の
 グラデーションが街を包む

 誰かが「いち抜けた」で 去ったこの世界で
 選ばない、を選んでは
 グラデーションの僕を纏う
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何者でもない

2019年02月26日 12:00

何者でもない


望みが叶う妄想消えて
外灯で遊ぶ雨を見てた
昨日の月が電線で 綱渡りしてたあたりだ

 何者にもなれなかった君と僕が 
 荒れ狂う川を眺めてる
 「いっそここで飛び込めたら幸せだね」 
 頷けない僕なら 何を願う


心が折れる音なら何故か
懐かしい人の声に似てた
スポットライトが跳ねる街 踊り場はたまに揺らいだ

 何者にもなれなかった君と僕が
 土砂降りの雨に打たれてる
 記憶のように霞んでいる街明かりで
 暖を取る君なら 何を思う


   「明るいことしか歌えない歌で街は汚れてる」


ここは奇跡がなかった世界
眠りたくない、目覚めたくない
誰かのための空き瓶に 放られて、もはや何もない

 何者にもなれなかった君と僕が 
 荒れ狂う川を眺めてる
 鮮明すぎて焼きついたシーンは故に
 美しく創れも 出来ないまま

 何者にもなれなかった君と僕が
 土砂降りの雨に打たれてる
 運命と言えば終わる後が続くのなら
 エンディングですらも 誰かのもの


 あったはずの奇跡が なかった世界
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国道79号線

2018年05月11日 00:00

国道79号線


青春がまた一つ消えた
新しい幸せの身代わりに

 記憶を火に焼べて未来を灯すのか その逆か
 今日はいつだって 昨日のハイライト

  ラララ 脳裏で描き損ねた道へ
  朽ち果てた自分の世界を
  ラララ 遥かへぶっ飛ばしていこう
  間違っていればそれでいい


白秋がまた一つ増えた
手に取った歓びと引き換えに

 自分がいなくても世界は存える つつがなく
 明日の仕様なら 今日のブートレグ

  ラララ 選ばず通り過ぎた道へ
  掠めてた平行世界を
  ラララ 見事にぶっ飛ばしてみよう
  今更としても構わない


   現実との境目が 曖昧な夢
   目覚めて尚引き摺られ 飛ばされそうな

   どうせ誰にも知られない 理想郷だ
   いつかそこに辿り着く その日のために

   死んだ目のままで 今日を生きようか 生きような


  ラララ 誰にも侵されない道へ
  隠してた精神世界を
  ラララ 一気にぶっ飛ばしてやろう
  一度きりならばそれもいい

  ラララ 国道79号線へ
  空想と虚像の世界を
  ラララ 自由にぶっ飛ばしてしまおう
  変わらないものは何もない

  終わらないものは何もない
  
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ベテルギウス

2018年05月07日 00:00

ベテルギウス


しんとした 凛とした
氷柱の先端みたいな 尖った真冬の真中で

待っている 望んでる
この夜をベテルギウスが 真昼に染めて朽ち果てる
刹那を

 仮面の下で笑えずに 無くした櫂はそのままに

  氷点下の月へと駆ける 流星群の総ては果てた
  輝きと言い難い この時の中で
  羨みも憎しみも 雪みたく凍った


張り詰めた 膨らんだ
氷が映した冬空 あまりに晴れて裂けそうだ

塞がれて 受け容れて
繰り返し終わらせてきた 夢ならその形変えて
続いた

 心の声は薄くなる もう一度すら消えていく

  ベテルギウスの終わりにも似た 憧れてしまう光があった
  精魂を殴られる 衝動のような
  辛うじて届きそうな ジェラシーのような


   流星群のような煌めきなど 放てないとして
   ベテルギウスの爆発をこの世で 見られないとして
   夜明けが来る


  ベテルギウスが導くように 流星も月も西へと落ちた

  炎のような冬茜なら 世界をシルエットへと変えた
  照らすのも照らされも 能わないままで
  そのままで踏み出せと 足跡が告げる
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橋台(彼の偶像)

2018年05月03日 00:00

橋台(彼の偶像)


あいつをずっと見続けた 
春夏秋冬、昼夜問わず
それならただの暇つぶし 
終わり一つ、増えただけで


 あいつは俺を拠り所に ブルーシートの家を建てた
 台風の度に壊れて 継ぎ接ぎしてた

 白髪交じりの髪と髭 欠けた歯だらけの微笑み
 金を稼げばアルコール 風に消されてくうわごと

あいつをずっと見続けた 
春夏秋冬、昼夜問わず
それならただの暇つぶし 
あいつでもう、何人目など

そんなのもう覚えちゃいない


 あいつは眠るその前に ペンダントをいつも見てた
 時折声をあげては 俺を殴った

 刻まれてゆく皺と傷 少し濁り差す眼差し
 女の裸のスクラップ 雨に消されてく落書き

あいつをずっと見続けた 
始まりから、終わりまでを
最期の前の日は、そうだ 
台風過ぎの、夕焼け空

涙しては見続けてた 川の流れは今日も変わらない


   置かれた花束と 群れなす人だかり
   これで三人目、いや、二人目か

   ペンダントと落書きに よく似た女一人
   うわごとの名前、ああ、この人が
                       ―どうでもいいか


あいつをずっと見てくれて 
ありがとうと、女が言った
礼を言われる覚えないが 
思いはただ、受け止めよう

あいつをずっと見続けた 
春夏秋冬、昼夜問わず
それならただの暇つぶし 
いつかどうせ、よく似た奴が

俺を頼って家を建てる 川の流れは今日も変わらない
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